KENWOOD KT-5020


紹介

1990年代前半に購入

最近FMをステレオで受信できなくなっていたがネットの情報を参考に修理。まだまだ現役でいけそう。音質はお値段相応で特筆するほどではない。

※個人の感想です。


修理 (2022.3.22)

  FM/AMチューナーのKENWOOD KT-5020・・・

実はかなり前からFMチューナーの挙動がおかしい。


具体的には
 ・オート選局でFM放送を受信しようとすると、放送周波数を通過して受信できない。
 ・マニュアル選局で放送周波数にあわせるとモノラル受信でき、ノイズもないが、チューニングシグナルインジケーターが点灯しない。
 ・マニュアル選局では強制的にモノラル受信になるため、オート選局モードに切り替えるがステレオ受信できず、STEREOインジケーターも点灯せず。
というもの。

ネットでKT-5020の修理について検索すると 「FM受信できるがSTEREOランプ点灯しない」という点で一致する症状のケースが見つかる。
 ・BLUESS Laboratory「KENWOOD KT-5020」
このケースでは、SCA信号を除去するためのローパスフィルターが劣化しており、ローパスフィルターを取り外し、前後の回路を導線で直結することで修理している。

ということで とりあえずSCA信号を除去するためのローパスフィルターを取り外してみることに。

  まず、天板を外す。

メイン基板の中央から少し左上にある赤白黄の3連のL23が目的のローパスフィルターのようです。

  背面のパネルも取り外し、メイン基板を固定しているねじも外し、メイン基板を裏返してL23を固定しているはんだを除去し、L23を取り外す。

  L23があった箇所の入口と出口をワイヤで直結する。

メイン基板と背面パネルを元に戻し、動作確認・・・症状に変化なし。
L23が原因ではなかった。

しかし、L23は劣化しやすいようで、L23が原因の故障のケースがネット検索で他にもいくつか見つかったので、L23は取り外したままにすることに。

KENWOODのチューナーの故障のケースを 他の機種に広げてネット検索してみると 今回のKT-5020にかなり近いケースの例が見つかる。
 ・BLUESS Laboratory「KENWOOD KT-1100D 修理調整記録8」
 ・BLUESS Laboratory「KENWOOD KT-1100D 修理調整記録9」
いずれもメイン基板に垂直に取り付けられた検波基板にあるL9に問題があり、上のケースではL9が故障していて検波基板ごと交換して修理、下のケースではL9が生きていてL9を調整して修理している。

KT-5020にもメイン基板に垂直に取り付けられたPLL検波基板があり、KT-1100DのL9に対応するL22を調整できる。
ということで以下のサイトを参照にKT-5020のL22を調整してみる。
 ・BLUESS Laboratory「KENWOOD KT-5020」
 ・ひろくんのホームページ「KENWOOD KT-5020」

KT-5020の電源を入れ、FMの83MHzの受信状態にしたまま、メイン基板のTP9〜TP10間のDC電圧をテスターで測定しながら

PLL検波基板にあるL22の頭の穴からマイナスの精密ドライバーを差し込み、電圧がほぼ0VになるようにL22内のねじをまわせばよい。

しかし、L22を調整する前からTP9〜TP10間のDC電圧は0Vだった。

私のケースではどこが原因なのか・・・
あと、あやしいのはFM同調点のL19ぐらい。

ということで
FMの83MHzの受信状態にしたまま、メイン基板のTP7〜TP8間のDC電圧をテスターで測定すると2.5Vだった。規定値は0Vなので原因はL19のようです。

メイン基板にあるL19の頭の穴からマイナスの精密ドライバーを差し込み TP7〜TP8間のDC電圧がほぼ0VになるようにL19内のねじをまわす・・・

問題の症状がすべて解消されました。
オート選局で放送局のある周波数で走査が停止し、チューニングシグナルインジケーター、STEREOインジケーターもちゃんと点灯。


KT-5020の修理完了。





ちなみに
FMフロントエンドの調整について。

FMの76MHzの受信状態にしたまま、メイン基板のTP5〜TP6間のDC電圧をテスターで測定しながら、メイン基板にあるL7を調整して電圧が2.5Vになるようにする。

さらに、FMの90MHzの受信状態にしたまま、メイン基板のTP5〜TP6間のDC電圧をテスターで測定しながら、メイン基板にあるTC1を調整して電圧が21Vになるようにする。




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